恋のプロフェッサー(3) 男の色気とは

こんにちは 恥かき王子の猫社長です。

 言うまでもないが、小生はモテるタイプではない。世の中には、黙っていても現れただけで、キャーキャー大騒ぎでモテる男もいる。ほとんどの男子学生は女の子にモテたくて悶々とする時代を過ごしてきた。

 さて、随分前の話になるが、気に入った娘ができて、アタックする時期があった。
 そしていつものことであるが、「いい人で好きなんですが・・・」で終わるのであった。いったいどういう事?。いい人で問題ないではないか。

 青年は考えに考えたが分からない。これはもしかすると男として重大な問題があるのではないか。容貌はいいとは言えないが、不快感を与えるほどではないだろう。第一見るからに恐そうなそのスジの人に恋人がいるではないか。
 身長は小柄だが、実用には問題ない。学歴はまずまずだろう。
 その疑問の回答をはっきりさせるため、恥をしのんで食い下がってみた。
 「僕のどこがいけないんですか?」男としてけっこう情けないと思った。
しかし、どっちにしろこの娘とは終わるので恥のかき捨て、お構いなしだ。
ときおり思い切り恥をかくのはいいことかもしれない。

 電話口の向こうで、急に沈黙、答えにくい質問かもしれない。答えたら相手を傷つけるので言いたくないのか。その数秒間にこっちは色々な事が頭を駆けめぐる。
 「あなたには色気を感じられないの。」「えっ、イロケ?」初めて聞く答えに
頭の中は「????? それ どーゆー事 ???」

 もしかすると、苦しまぎれの答えかもしれない。が、でたらめの答えでもない。
 頭の中に疑問符が渦巻きながら・・終わった。

 今まで、女の色気というのは、なんとなくわかる。しかし、男の色気となるとどうしたものか、第一そんなものはどうすれば出るのか、全く分からない。
 そこで、さらに恥を忍んで、お袋に尋ねた。お袋に聞くとは益々情けない。
当時お袋は若い娘の3人分くらい女をやっている、ある意味女の大先輩だ。
「お母ちゃん。俺には色気がないと言われた。男の色気って何なんだよ。」
 ここまで恥かき王子になっていたのは、その娘に少なからず気持ちが残っていたのと、フラれた悔しさとが入り交じっていたのだろう。

 お袋は少し考えてから言った。「色気とは笑顔だよ。」

 最初、「何?そんなこと?」と感じたが、よく考えれば、これは金の名言である。

 男の色気のある俳優は大勢いる。いわゆる渋い容貌ではあるが、24時間渋いわけではない。時おり見せる笑顔に確かに男の色気がほとばしっている。
 舘ひろし、イ・ビョンホン、ペ・ヨンジュン その他 長島茂雄などスポーツ選手にも笑顔の素敵な男が沢山いる。
 ちなみにこのお袋の好きな有名人はジャズプレーヤーの渡辺貞夫、俳優の藤田まこと たしかに、普段は渋いが、その笑顔はとびきりだ。

 シャツのボタンを開けて色気を出すのは女の特権、男はシャツのボタンは開けないほうがいいだろう。閉めたまま笑顔を振りまくのが、男の色気かもしれない。
 ただし、あまりヘラヘラしてると「渋さ」がなくなる、ほどよいバランスが肝心か。