学校で学んだこと

 小生が大学で学んだ頃は、いわゆる全共闘時代がほぼ終わった頃で、講義
もちゃんとあった。とはいえ、教えている先生方の中にはもちろん、そっち
系の先生方も多数であり、講義内容も赤いことも多い。小生政治活動やら
には全く興味が無く、「ふうーん」と聞き流していた。高校の時は赤い先生
が熱く語れば語るほど小生は醒めていくというまるで手応えのない学生であ
った。だからその先生には嫌われていた。
 例えば「世界同時革命が起こり、労働者は普通に働いていれば、デパートに
行って、気に入った洋服をお金を払わずに持ち帰ることが出来るようになる。」
という老教授の言葉は刺激的で、こうして今でも記憶に残っている。
 新興宗教でもそうだ、やはり大学新入生になるとそれとなくやってきて、
夢のような世界を語りかけてくる。誰かが「宗教は麻薬だ」と行っていたことを
思い出す。集会にいって話を聞いてくると、なにかすごく気持ちが良くなる。
無知で多感な青春時代にこんな話を聞くと「本当にそうなるのかな?」と少し
信じてしまう。
 ところが、小生はここから先にのめり込まないのがいいところ。大学時代
は家業の手伝いで、すぐに帰る。しかも家業なのでアルバイト代をもらう
という感覚がなかった。ヒマもカネもないのが幸いだった。

 さて、こんな中で記憶に残っている講義がある。当時はロッキード事件
田中角栄総理の時代だ。この先生は当時のことだから、チョイ赤先生だと
思う。先生はこう言った。
 スタートが貧しかった者が頂点に達した場合、何がなんでもあの過去の貧
困に戻りたくないという意識が強く働く、それはその辛い過去を体験して知って
いるからだ。従って、悪いことをしてでもお金を集めてしまうことをやめられないのだ。
当時の総理についての分析だ。

一方、ある程度裕福に暮らした者は、悲惨な貧困を知らないので、それほど
お金にはこだわらず。悪いことをしてまでお金を集めることはしないのだ。

小生流にまとめれば、
「貧しいから欲しがり、豊かであれば欲しがらない。人並み以上に豊かにな
ってもまだ欲しがるのは、心は今だに貧しいからだ。」
(我ながらいい言葉!あいだみつをさんに匹敵するかも)

 夏の蝉が、ミンミンと命がけで鳴いている。日本語に翻訳すれば「やらせてくれ。
やらせてくれ。」と鳴いている。すこし上品に言えば「お願いします。お願いします。」
と鳴いている。実際、この夏リアルな人間が「お願いします。お願いします。」と鳴いている。
もうすぐ選挙、この鳴き声は当選すなわち就職。つまり単なる就活で騒いでるだけに
聞こえてしまうのは小生だけだろうか?

 政治には金がかかる。だから政治団体に献金を。ちょっと待て、政治家になったら
普通に給与もらえるのだから、それ以外になんでお金が必要なの?
 目の前に献金があったとき、「なんの便宜も提供できませんよ。」と断言しながら
平気でそのお金を受け取るなんて、小生はそれほど図々しくはない。小生だったら
「便宜は提供できないから、これは受け取れません。」と断るだろう。

 献金もらったら、普通便宜を計らうことにならないの?
 それでも、政治家はお金が欲しいんでしょうね。
8/10 追記
 知人の知人で議員さんがいますが、冠婚葬祭で呼ばれると、祝儀持参でやってきます。
軽く挨拶したあと、車代を秘書の方が受け取って、さっさと帰っていきます。
こういうことはもうやめたほうがいいんではないでしょうか。議員さんの時間はもっと
政治のことに使ってもらいたいものだと思います。