体をひん曲げてでも・・ 我が恩師にこのような話を聞いたことがある。本当か作り話かは分からない。 「軍隊ならば、自分の体にあった軍服が支給されると思うな、支給された軍服に体をひん曲げ てでも、体の方を合わせろ。」この考え方は小生の頭に残っていて時々思いだす。 長い間生きていれば、自分をひん曲げても、そいつに合わせなければならないこともある。 そんなときにこの言葉を思い出す。何でもかんでも自分に都合良く、快適に展開出来たらいい が、そうもいかない。そこで屈辱感や不快感、あるいは「出来ない」という挫折感を味わう。 そこで、先の言葉を思い出す。「軍隊ならば」普通のことなのだ。これを思い出すと、物事を 何が何でも強引に解決しようと考え、自分の不快感やらはどこかにいってしまう。 あるソフトを使いこなすにはある程度、あるいはものすごく勉強しなければならない。 基本的にソフトウエアはコンピュータを使いやすくするために用意されたものだが、とり あえずの最初の取っ付きはどんなソフトでもある程度間口が広い。まあなんとかいじれるよ うになる。その程度のことでいいのなら問題ないが、実は「こういうことをしたい。」という イメージがあった場合、はたしてどうやって対応させるか考えると、ガツンと硬い壁に突き当 たる。ここが分かれ道だ。「うーん、このあたりになると、難しくてさっぱり分からん。」 となるか。「マニュアル、市販の書籍、あるいはだれかに聞くなど、なにが何でも突破する。」 と考えるかで、その後の展開が違ってくる。正直、歳を重ねるごとに、今までに無いことに挑 戦することは億劫になってくる。 小生の場合、自分でできる事とできない事が分かっている。システムを開発するに当たって 昔から、DOS,N88Basicは散々やってきており、自慢じゃないがある程度詳しい。 当時は、何でもプログラミングできた。おこがましいが、本まで書いている(もう絶版)。 何でもできたが、時代はDOS/V WINDOWSになる。プログラミング言語として Visual Basic/Cなど・・やってみたが、すぐに壁に突き当たり挫折。もっとも 学生のようにたっぷり時間をかけられればいいかもしれないが、なんといっても多忙を極める 仕事の空いた時間か、疲れて帰った帰宅後の時間ではどうにもならない。 自分がやりたいことは、データ処理なので、言語プログラムまでやらずとも、データベース ソフトを使いこなせばいけるはずと考えた。 データベースソフトといえば、メジャーな「アクセス」ということになる。こま切れ時間を やりくりして、いじってみる。ある程度はなんとかできるが、本格的なシステム構築となると マクロプログラミング、VisualBasicがまたここで出てくる。ここで挫折。 それでは他にデータベースソフトは何かあるか、そしてその製品は今後サポートが長期大丈 夫かと考えた。ボーランド社のデータベースなど会社ごとどっか分からなくなってしまった。 あの一斉を風靡したロータス社でさえ、データベースはほぼ死んでいる。 とりあえず選んだのは「ファイルメーカー」である。この製品はアクセスより少々高い。 メーカーとしてはアップルの資本が入っており、まあ、いいんでないかい。 また、アップルの流れからか、お医者様に利用者が多い。失礼ながら、お医者様達にできる ことがコンピュータの専門家であるオレにできないはずがない・・と考えた。 「ファイルメーカー」自体は何でもバキバキできると偉そうに広告している。 偉そう具合はオードリーの春日級である。 いよいよ、いじり始めてみる。例によって、取っ付きは軽く、さらにというところで壁が 出てくる。ここで恩師の言葉を思い出す。「このデータベースで出来なければ、後がない。」 実際、アクセス、ファイルメーカー以外のデータベースで長期安心できるものはない。 「これは何が何でもモノにする。体をひん曲げてでもモノにする」と決心した。 大方の書籍は購入した。メーカーに有料問い合わせも1−2度した。基本的な性質が分かる とこのデータベースは何ができて何が出来ないかが見えてくる。ここまでくるとだいたい使い こなせるようになる。そうするとお金になる仕事もできるようになってくる。 データベースの操作感はこうあるべきだという長年にわたって培われたイデオロギーがあり、 その点では素人ではない。 もちろん今の小生より、ずっとハイレベルのエキスパートは大勢いるだろう。ただし本格的 専門家に依頼すれば、べらぼうに高額になる。そしてそれは我がイデオロギーには合うわけが ない。なんといっても小生はコンピュータ暦30年の生きた化石いや歴史である。 昨日や今日の若造のシステムなど使いにくいに決まっている。だからオレは携帯電話を使い こなせない。小さなゲームマシンやiPodなどさっぱり分からない。(関係ないか・・) 体をひん曲げてモノにしたノウハウは小生の飯の種の一つになった。 ファイルメーカー |