ちょっと考えれば 

 バカな奴は取れた米やトウモロコシを全部食べてしまう。利口な奴は
すこし残しておいて、それを埋めて、来年の収穫を得ることができる。

 バカな奴は、海底のアワビを全部取って食べてしまう。利口な奴は
小さいアワビは取らずに放置し、また、増えて大きく育ったころに漁る
ことができる。

 真面目でバカな奴は、一生懸命、命がけで働き、健康か生命を失う。
利口な奴はもちろん一生懸命働くが、回復できる余力を残しておく。

 バカな奴は、自分の主義主張に合わない輩を徹底的に排除する。やがて
自分の仲間だけのコミュニティに閉じこもる。利口な奴は、主義主張が
合わなくても、ほどほどの折り合いをつける術を心得ている。

 例えば、なにか買い物するとき、だいたい提示された金額で問題なけれ
ば、その金額で購入する。交渉して、ギリギリまで値引きさせることは
しない。なぜなら今どきの店は、この情報時代、提示価格でさえほぽ
限界に近い金額を提示している。それ以上値切れば必ずどこかにムリが
生じる。小さいアワビを逃がしておくゆとりと思えばいい。
 わずかばかりの小さいアワビ、無理に食べなくたっていいではないか。


 人間 歳を重ねると、知恵がついてくるものだ。これをずる賢いとは
言わんでほしい。

 さて、政府は1億総活躍社会を目指すという。さらに女性の社会進出
をより一層可能にする政策をとるという。つまり、保育所の充実、産休
や育休の充実など。しかしこれを聞いてそのまんま受け取れば素晴らし
いと思うが、ちょっと考えれば相当な、いやな言い方をすればねじまがっ
った根性の悪臭が鼻を突く。つまり、女性は社会進出をして働くべし、
働かない主婦は怠け者か、能力がないために社会に出られない落後者、
つまりそれを「専業主婦」と言う。こんな悪臭を感じるのは小生だけで
あろうか。子育てに専念できる割合が高い「専業主婦」とはこれだけで
人間(子供)構築に大きな貢献をしているのである。バカにするわけで
はないが、たとえばスーパーのレジ打ちは機械化され、人が不要になっ
てきつつあるのが現状だ。一方の「子育て」は機械化できるのでしょう
か?人間しかできない技術に価値があるに決まっているではないか。

 女性は子供を産み、子供は保育所あるいはベビーシッターで預かり
(子育ての外注化)さらに社会で仕事をしてもらいたい。なにか生まれ
た子供を別の水槽に入れて、餌をいっぱい食べさせ・・養殖か!

 たぶんですよ、上記のように女性を徹底的に社会進出させたら、アワビ
に例えて悪いが、結局 卵産まなくなると思う。子育てという親にも
子にも貴重な時間をむしり取って、つまりまだ大きくならないアワビを
乱獲して、気づいたときは、もう日本人絶滅寸前ということが起きない
だろうか。代わりに繁殖力の強い外来種がやってきて、日本種を駆逐する
ことだってあるかもしれない。

 子供が成人するまでの子育て期間、専業主婦でいることは最高の贅沢
だろう。母子家庭など、いろいろな事情は手厚くカバーする必要があるが
 親子で過ごす時間は貴重な日々だというコンセンサスが政治の世界では
忘れられているのではないだろうか。