ちょっと考えれば 「国の借金と増税」(2017/11/03修正)

 また、選挙が近づいてきた。まだ確定ではないが、消費税を10%に上げる
議論があり、用途を教育に使うのだという。財務省は消費税を上げることが
悲願である、その理由は金があれば権力最強ということである。金よりもっ
と強力な権力があるとしたらそれは武力(暴力)である。
 武力を別とすれば人はお金で動かすことができる。お金を分配采配する機
能はすなわち権力そのものである。この権力をさらにパワーアップするには
もっとお金を集めればいい。つまり増税である。税金として、お金を集め
る所と、それを振り分け采配するのが一体化しているのが財務省である。
 この問題の解決策として税金を集めるところつまり歳入とお金を采配する
省とは別にした方がいいのではないかという議論もあるがさっぱり進んでは
いない。

 我々一般人はもらった給料のうち例えば半分使って、残りを銀行にとって
おいてというような使い方をする。時として住宅を購入するときは自分の年
収の何倍もの借金をしてローンで払う。銀行はよく貸してくれるものだ。
 銀行からみれば、コイツが払えなくなっても大丈夫、この土地没収すれば
問題無し・・ということである。ちゃんと契約書ができている。

 問題は財務省は入ってきたお金を全額消費しなければいけないのである。
お金は国民のものであり、財務省のものではないのである。増税した分は
1円でも省内にプールしてはいけないのである。どうせ省内に残らないなら
増税する意味がない。そのまま市中にお金を泳がせておけばいい。

 さて、考えることを捨てたおバカなマスコミは相変わらず国の借金が・・
とのたまわっている。借金って誰から借りてるの?外国から借りているなら
問題かもしれないが、基本的には日本国内である。本当は誰なのかもよく
分からなくなっている。

 理屈はこうだ。政府が国債という紙(金額と返済時期を記してある)を
印刷して、一般の銀行や日銀に買ってもらう。キャッシュが政府にくる。
そのお金で公共投資、つまり道路を作ったり、地震対策したり、古くなった
橋梁・施設の整備などを行う。王様の巨大なピラミッドを作るわけではない。
 こうしたインフラ整備によって国民は快適に生活、生産活動ができるよう
になるので、税収があがる。その回収税金で、最終的には国債の満期には
国債という紙を所定の利息を上乗せして現金買い戻しをする。銀行は利息の
分だけ何もしなくても儲かる。政府は返却された国債という紙をシュッレッ
ダにかけて消滅させる。これが1サイクルである。実際は紙などなくて、コ
ンピュータ上の数字をキーボードとマウスで操作しているだけかもしれない。
この国債は5年とか10年が当たり前でつまりこれを借金と呼ぶなら、常に
5−10年は借金していることになる、つまり借金の常態化が普通の健全な
常態である。借金が多額で怖いというのは詭弁である。個人が3000万円
もの借金をしてもそれが住宅ローンだったら全く問題ないのと同じである。
 ただし借金してギャンブルで失ったら話は別だ。
   
 さて、先のサイクルは実は毎年連続的に繰り返されている。借金して公共
投資したのに、どうも税金回収がはかどらず・・返済に支障が・・個人なら
いざ知らず、政府の場合は問題ありません。星一徹のちゃぶ台がえしではあ
りませんが、日銀が政府の機関であるため、国債と現金と「ペッペッペー」
と破ってしまえばおしまいという、ウソのようなことが可能なわけです。
 「オレをだれだと思っている?日銀総裁さんだぞ!」

 これが外国からの借金なら問題ですが、自国に通貨発行権があるという機
能です。(逆に言えばビットコインなど仮想通貨がはびこり、何者かが
クリック一つで通貨発行できたら世界最強になる。絶対認めてはならない)

 「ペッペッペー」を個人のケースに例えるなら、住宅ローンが半分しか
払えないから土地の権利半分を銀行さんに返します。半分は銀行の所有物
として書類を作ってハンコを押して終わり。ということに近いかもしれません。

 プライマリーバランスの黒字化(つまり借金より税収が多い)という目標
は間違っています。下記に3つにまとめます。

・国は常時借金状態にあるのが普通である。

・毎年2%成長を目指すなら、毎年2%以上の借金が増えるのは当然である。
 (国債に金利をつけているのだから、その分の上乗せは当然)

・借金を全額回収したら、日銀と市中銀行に現金が積み上げられ、市場の現金が
 無くなるため経済活動は停止、国は即死となる。市中銀行はただでさえ誰も借りて
 くれない現金を誰に貸そうか必死になる。あるいは社員で山分けする。あるいは
 そのお金を天下り対策にまわす。あるいは政府に「頼むから新規の国債発行して
 くれー!」と叫ぶ。 程度のことである。

こんなこと ちょっと考えれば分かりますよね?
国は金を使ってナンボだということを肝に銘じてもらいたいものです。