実は教科書通り

 中学1年の我が娘の教科書を見る。「ふん、東京書籍か。」とペラペラとページを
めくる。この薄さで、古代から現代までよくまとめられている、見事なものだ。しかし
小生、近代史に注目し、そのあたりにざっと目を通すと、太平洋戦争についても書いて
ある。戦争に突入せざるをえなかった理由がよくわからない。事件を羅列しているだけ
である。米国、日本に通底する影の仕掛け人、スターリン、コミンテルンの「コ」の字
もなければ政府中枢部に食い込んだスパイ、尾崎秀美(ほつみと読む)の「お」の字も
ない。また、国民世論をあおった新聞社の大罪の説明もない。これをなくして、大東亜
戦争の始まりを説明することはできない。小生は数学はできても、社会科がさっぱり
出来ない理由がここにある。つまり三角形の内角の和が180度であるという定理を教え
られないまま、図形問題を解けと言われるようなものだ。
 
 さて、ゴールデンウィークが終わり、18連休の野党が出席してきたようだ。
居酒屋で「まずは生ビール」のごとく、「まずはモリカケ」。そんなことから始めるな
ら与党は「まずは党首の二重国籍問題」から始めてみるのもいいかもしれない。いずれ
にせよ国民にはどうでもいい話である。さて、かくも不毛な議論が延々と続いているの
は、すでに存在してないはずのコミンテルンの教科書に準拠した動きなのである。

 なんでもいい、とにかく政治を混乱させる。国民が政府に不信感と怒りを持つ。その
怒りを大きな国民運動にして、現政権を転覆させる。その後に、新しい社会主義政府を
作るという革命ストーリー。

 基本的には共産主義革命を推進するコミンテルンなる組織は現在は存在しないことに
なっているが、これにかぶれた連中がいっぱいいるのである。アレルギーや花粉症が簡
単に治らないように、この「カブレ」も簡単には治らない。死ななきゃ治らない。しか
しながらカブレた連中は何とか若い世代にも「カブレ」を伝承するよう動いてるのが、
たいへん迷惑なことである。

 なぜ「カブレ」るのか?この答えのヒントになる事例がある。ある書籍で読んだので
受け売りであるがこんな話だ・・・

 ある大作家(五味康祐氏だったか?)が水虫にかかっているという。足の強いかゆみ
はたまったもんではない。そんなわけで、あまりのかゆみにボリボリを足をかいている。
 編集担当者がそれを見て、「先生、水虫の薬がありますよ。塗ったらどうですか。」と
勧めたところ、その大先生「バカ野郎!、このかゆいところを好きなだけボリボリかく、
この気持ちの良さ、これが出来なくなるではないか。」と提案を却下されたとのことで
ある。

 間違いなく「カブレ」は気持ちがいいのであろう。ましては「カブレ」同志の集まり
はもっと盛り上がる。おたがいに「カブレ」自慢と政府転覆工作の成果の話し合いで
ビールも美味いに違いない。でも言っておきますが、この「カブレ」は病気ですから
治療してください。