潔癖な人

 テレビを何気に見ていたら、あるアイドルタレントが、「知ってるおばさんの握ったおにぎりが食べられない」と言う。「知らない人が握ったのなら食べられる」という。

 また、別なケースでは皆で鍋料理が食べられないと言う。みんなで一つの鍋に箸を入れるのがどうも・・ということのようだ。人が口に運ばない菜箸を別途用意して楽しむのが最近のスタイルになっている。しかし鍋のように熱湯であれば、箸に仮に菌が付いていても煮沸されるので、衛生面では問題がない。しかしそうではない違和感があるのだろう。日本人だけなのだろうか、外国人にもあるのだろうか。逆に動物たちは全く頓着がない。隣が食べ残した餌を平気で猫たちは食べている。

 小生は酒を飲まないが、酒飲みの習慣なのか兄弟の盃を交わすというのか、盃を回し飲みする行為がある。自分は遠慮する。小生盃を交わしたのは結婚式の花嫁だけだった。これは信頼と尊敬と愛情があるからだろう。それも気になってできないなら、キスもできず、ましてや生殖行為すら嫌悪することだろう。日本国は他国に比べれば圧倒的に衛生的で、日本人は大方、清潔感があり、体臭のきつい人は少ない。ある意味少子高齢化が進行するのはこうした、無意識の潔癖感が原因になっているのかもしれない。

 この潔癖感の反対が「汚い」ということになるのだが、「汚い」と言っても、不衛生とか、菌がとかではないことは分かるだろう。例えば食べ残しでも知らないおじさんの食べ残しは口にできないが、幼い我が子の食べ残しなら躊躇なく食べてしまうお母さんは普通にいるのだ。

 人には犬派、猫派がある。小生は明らかに猫派であるが、犬派の人たちのあの行為だけは理解できない。

 まず、犬はアウトドアで散歩する。犬は飼い主が大好きでぴょんぴょん飼い主に飛びつく。アウトドアなので前足には泥が付いている。白い服を着ていれば飛びついた前足で服は汚される。あれは嫌ではないのだろうか。皇太子妃 雅子様がしゃがみ込まれているときに不敬なる?犬が遠慮なく雅子様に前足バリバリ攻撃をしていた。テレビを見ていて、「ありゃ、素敵な服が・・」と思ったが、雅子様はニコニコと微笑まれていた。さすがに皇室の方はすごいと思った。

 さらに、もう一つ犬の無遠慮さで許しがたいものがある。「顔舐め」である。どうなんですか?あれ。 飼い主に対する親愛の情の発露なのかもしれないが、顔をベロンベロン舐める。顔だけならまだしも口までベロンベロン舐めるではないか。あれ いいの? すこし舌が口の中に入ってるんじゃないの? もしかして直前にその犬は自分の肛門を舐めていたかもしれない舌である。猫派の小生には絶対に耐えられない。潔癖症の人は耐えられるのか?


 猫は人に対しては顔をペロペロ舐めたりはしない。いつもは口を閉じてすまし顔の鼻呼吸だ。犬のように常時口を開けて、舌をだし「ハァハァ」とおバカな顔ではない。
 あぁ、また犬派をディスってしまったようだ。ごめんなさい。