人生最後のスピーカ製作か その6 最初に書いたが、やってみて結果を受けいれて、よかった。こんな低音がズシンズシンと出てくるとは思わなかったという発見。思い残すことが一つ減った喜びを感じている。 話はそれるがジャズ喫茶の最高峰といえば一関の「ベイシー」だろう。死ぬまでに一度は行ってみたいと思っているが、マスターが先に行っちゃう前にと考えれば、そうそうのんびりもしていられない。これは思い残すことのひとつだろう。今回、ネットで調べたら現在休業中のようだ。 参考サイト 多分本形式はCW型バックロードホーンの究極だろう。Cobra-VT型 と名付けた。Cobra とは、音道がとぐろをまいた蛇のように見えることからつけた。また、2023年に亡くなった漫画家 寺沢武一先生への思い入れもある。VTとは Very tight という意味でバックチャンバーを極小にすることで、ウーファーにとことん負荷をかけ完全なるホーンとコンプレッションドライバーを構成したことになった。 この手のスピーカのこだわりとしてリスニングポジションから見て、高音、中音、低音用のスピーカのボイスコイル位置を前後方向にそろえるべしという件がある。物理的に容易であれば揃えたいところだが、そうもいかない。確かに今回はある程度前後している。よく1cmをずらしただけで音が変わるなどというが、どうも小生腑に落ちない。LCネットワークをくぐれば位相は大きく変わる。さらに屁理屈を言わせてもらえば、ステージにおいて第一バイオリンと、ティンパニーではあれほど前後に距離があるのに、さらに客席までの大きな距離を考えれば10センチ程度の前後位置差など「そんなの関係ねぇ」といえないだろうか。 工夫のハイライトはここだ (1)バックチャンバーを極小化するため。スピーカのマグネットが邪魔。そこでマグネット部とぴったり同じ寸法の穴をあけて、マグネット部を後ろに逃がす、隙間ができないように薄いゴム板も張り付けた。 (2)同じ目的で三角形の板を数枚重ねたスペーサをスピーカバッフルの上半分に設置。 (3)音道出口、つまり開口部の側面に穴を開け。音圧を背面ばかりでなく左右にも広げる手法を取った。これがないとスピーカを壁面に寄せると開口部がふさがれてしまうことになる。 スピーカ正面に顔を近づけてもほとんど低音は出ていない、低音の音量が大きくてもコーン紙の振幅はわずかで、目には見えない程度。しかし背面からは十分な低音がでている。背面のホーンがしっかりと機能している。 コーン紙が目に見えるような振幅つまり1-2mm動いている場合、一見すごい感じがするが、それはコーン紙の周辺の空気をかき混ぜているだけで、音にはなっていない。コントラバスのピッチカートで弦は1センチくらいの大振幅をしているが、弦から音が出ているのではなく、その振動を胴に伝え大きな面積の響板を、目には見えないかすかな振幅で振動させ。それが音になっているのである。 つまり、コーン紙の見えるような大振幅は「無駄な遊び」なのである。 |
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スピーカ取り付け穴の後ろにも穴があるが、これはスピーカのマグネット口径と全く同じ大きさで、隙間なく(空気漏れなく)ぴったりとはまる。マグネット部を逃がすことでバックチャンパは限界の55ミリまでせばめた。さらにバッフル背面に容積をさらに狭めるための三角スペーサ板を詰め込んである。 |
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側板に穴をあけてあるのも、工夫のひとつ。もしかして、オレ 天才かも(W) |
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