人生最後のスピーカ製作か その5 ということで、ここで推奨ツイータといえば定番JBLの075あるいはその系統となるわけだが、中古でも高い。もちろん新品は入手できないし、現行の相当する後継機が見当たらない。仮にあったしてもやっぱり高い。病気再発とはいえ、いくら金をかけてもいいということではない。いいか悪いかは分からないが、075のパクリといったら言い過ぎかもしれないが似たような構造のツイータが数千円という低価格で入手できる。本当は高級オーディオというよりカーオーディオ向けの製品だろう。 Dayton Audio社のST603-4という製品である。Amazon通販二個セットで7600円という安さ。現物を見ると。謎のフィルムコンデンサが直列にハンダ付されている。ファラッド表記がなくクロスオーバー不明しかも4オームというオーディオ屋からすればやや変則、アッテネータだけをつけて鳴らしたら、そこそこ「シャラシャラ」鳴っている。おそらく1か2マイクロ程度でクロス4-5キロくらいか。もうひとつ謎なのは端子にプラス・マイナス表記がない。ハンダ付端子なので、赤黒ターミナルなど無い。どっちなんや?一応ミドルレンジドライバは比較的高いほうまでしっかり出ているので、定番の7kHzでコイル・コンデンサで12dbオクターブのハイパスフィルターを作成。ツイータとしては103dbという能率なので、結局のところアッテネータはつけたものの音量全開で強力すぎるミドルレンジドライバになんとか追随させたところであった。はれて3ウェイになった。最初はこのツイータはミドルレンジドライバに負けて埋もれてしまうのかと感じたが、控えめながらもしっかりと仕事をしているようだ。これが付いてからはシンバル音もシャキッと聞こえる。マルチアンプ?そこまでのめりこむほど病気は重くない。 さて、中古のユニットにエージングなぞあるものかと思っていたが、ある程度鳴らしこむうちになんとなく音のまとまりがついてきたように感じる。率直にいうと、小さくはないが、かといって大型でもない本機であるが、実に堂々とした重低音を軽々と再生する。大型機にまったく引けを取らない。世間ではビンテージの大型スピーカーが「大型機なのに低音がでない」と悩む例が少なくない。これは木造日本家屋かガチガチのコンクリートで、外国のような広い部屋など条件があるのかもしれない。低音から高音まで、まったく不満はない。音量を上げた状態で箱に触ると手のひらに振動を感じる。E120-8の有り余るパワーが箱内の空気をがっちりとドライブし箱の板が必死で圧力に耐えているのだろう。板材はシナのランバーコア、必ずしもスピーカボックス用に適しているというものではないらしい。板厚も18mmというこれ以上薄くするとやばいという限界値、よく余分な振動を抑えるために砂を使ってデッドニングするケースがあるが、小生は好きではない。アンプから入った信号を全部音にすべきではないのか、砂の振動摩擦熱にしてつまり音をドブに捨てているのではないかと考えるのである。 さて、本スピーカは本当はコーナー設置するのがベストではあるが、我が事務所ではコーナーらしいコーナーがない、ありあわせのところに、壁からある程度距離を置いて、設置している。それでも十分なホーン効果はあり。申し分のない音で鳴っている。最近静かなブームとして「ジャズ喫茶」をやられる御仁がいるそうな。ビンテージ大型スピーカでジャズを聴きながら、コーヒーやお酒を楽しむ。実は小生一度も行ったことはない。いずれ機会があればということだが、しかし、こんなのが事務所にあれば、その必要もない。「ジャズ喫茶」ならぬ「ジャズパソコンショップ」になっちゃったようなものだ。興味がある方はお聴きに来るのは問題ないが、平日の昼間は通常業務のためパソコンの相談関係のみで、夕方5時以降か土曜日に限らせていただきます。もちろんコーヒーもお酒も出ませんので、ご了承ください。また、音が悪いとか作りが雑だとかのご批判はご固くご遠慮願います。 |
||
ホームセンターでちょうどいい感じのL型金具を見つけてツイータを取り付けた。低音、中音、高音のユニットの近接設置が実現。前後方向の位置関係は、とりあえずこだわらないことにしよう。 |
||