人生最後のスピーカ製作か その3

 以前作成した箱は当時の自分なりに究極と考えていたが、いくつかの気になる点が残っていた。バークロードホーンの音道が一度上に上がるためウーファーはキャビネットの天板よりある程度下に位置する。本来はアルテックA7のようにウーファーと高域ユニットは上下方向に近接させたいという思い。もう一つはローサーのTP1を見たときバックチャンバーの小ささに衝撃を受けた。

 基本的なテーマは次の通り

・背面に開口部を持つバックロードホーン
 当然だがタンノイオートグラフのような大規模複雑なものはムリ CW(等幅構造)型とする。

・幅を細目にして、コーナー設置にて、コーナーホーンとして壁をホーン延長とする。

・フロントショートホーンをつける。

・バックチャンバーを極小にする。

・現実的な大きさ。

 箱の中に徐々に断面積を広げていくよう、どのように音道を構成するか。何十パターンもラフスケッチをしていた中に偶然「これはいけるのでは」という案が見つかる。右記に記すが、回答を見てしまえば「ああ、なるほどね」と思う程度だろう。しかし、ここにたどり着くのにどんだけ変質者のごとく考えていたかご理解いただきたい。
 正確な合板のカットは特別な道具が必要だ。こんな時に役に立つのがホームセンターの木材カットサービスだ、直線、直角、正確な寸法で満足できる。カット料金も安いものだ。ただし角度切は望めない。以前作った箱は角度切が多々あった、当時は電気丸鋸を持っていて角度をつけて切ることができた。どこをどうしたのか、当時の電気丸鋸は見当たらない。今回の箱は基本角度切はショートホーン部と内部の音道曲がり角部でおおざっぱには45度である。それ以外の角度は切るというよりカンナで補修する程度、いい感じの密着度が確保されたなら、あとはボンドをはみ出すほどのせれば問題ない。ということで内部構造や外観を写真にてご覧ください。ツイーターはJBLの2445という10センチダイヤフラムのこれまた恐ろしいほどの重量級ドライバーに2380というプラスチックの情けないほど軽いホーンがつく。別にこれが欲しかったわけではない。セットで出品されていたからそのまんま落札したまで、2385などもう少しホーンらしいものが希望ではあるが幅は約45cmなので今回の箱の上に乗せた場合の収まりはいい。


この構造にたどり着くまでにどれだけの試行錯誤があったか。
 下部の奥に側板に角穴が開いてるのがミソ。
 音道の終盤あたりにも角をスムーズにするななめの板を入れたかったが、すでに力尽きてしまった。

 音道長はスロートから開口部まで約2.9m。 開口部から前面に折り返す0.5mも加算するとすればなんと3.4メートルに達する。